合格者の声

 

第14回認定コンプライアンス・オフィサー試験に合格し、認定を受けられた皆様よりお寄せいただいた「合格者の声」をご紹介します。

 

神谷 智彦様
日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズサービス部門

 

・受験のきっかけ
 現在はITコンサルティング、ITサポートに関連した取引契約の審査・交渉が主な担当業務ですが、昨今、取引契約に関連していわゆるコンプライアンス関連の契約文言の修正・追加、覚書の締結リクエストが急増しています。具体的には、反社会的勢力排除覚書、個人情報保護覚書、インサイダー取引防止覚書等の締結、さらにはコンプライアンス社内研修を義務づける内容の覚書の締結等、その内容も多岐にわたっています。米国勤務で日本の実務からしばらく遠ざかっていた時期がありましたが、ここ数年の契約法務関連業務での変化の背景にある日本企業のコンプライアンス意識の高まりを肌で感じています。
 また、現場ではITの活用、クラウドコンピューティングの浸透に伴う、情報漏えい事故などの事業環境におけるリスクもさらに高まっていると言えます。そうした実務での課題に直面した結果、コンプライアンスやリスク管理に関する正確な知識と応用力を身に付け、知識の整理やアップデートを図りたいと思うようになったのが勉強と受験のきっかけとなりました。
試験勉強を通じ、これまで実務ベースで整理されていなかった知識が整理されたこと、近接分野で馴染みがなかった分野に触れられたこと、知っているつもりになっていた事柄を正確に理解するきっかけになったことが主なメリットであったと思います。

 

・学習方法
 日常業務はそれなりに多忙な状況でしたので、受験を決めてからは通信講座である「コンプライアンス・オフィサー養成コース」(以下「通信添削講座」といいます)を活用してペースメーカーにすることにしました。実務を通じて知っている知識の確認、勉強を通じて得た知識の確認を「公式問題集」の演習、通信添削講座の問題演習を通じて明らかにし、通信添削講座の準拠テキストとなっている「基本テキスト」に戻って知識を確認していく、という比較的オーソドックスな学習方法で知識を整理していきました。
 「基本テキスト」は、試験に必要な知識が整理してまとめられていますので、別途サブノートを作る時間がなかった私にとってはたいへん助かりました。結局、知識に関しては「基本テキスト」に全面的に依存することになり、それ以外の書籍やテキストを読むことは時間の制約からできませんでした。
知識が整理でき、インプットがある程度進んだ段階で、アウトプットも必要になります。アウトプットにあたっては上記通信添削講座の添削のコメントを活用することにしました。特に記述式問題は、書き方やまとめ方が重要ですので、添削のコメントや減点理由の説明はたいへん参考になりました。一見、わかっていると思っていることも記述式、論述式で表現すると、意外にうまく表現できなかったり、時間という制約が加わるといつものようには書けないことがありました。通信添削講座で記述式の問題を自分で考え、言葉にし、さらに添削というフィードバックを受ける過程を通じ、知識も強化されていったように思います。
 択一式の問題では正しいものの個数や誤ったものの個数が問われる問題も出題されますので、正確な知識が重要となります。そのためには問題集を何回か実際に解いてみて、間違えた個所を中心に学習していくことがよいと思います。
特にPart3「企業法務・コンプライアンスの基礎」については、択一式、記述式ともに企業法務に関する幅広い正確な法的知識が求められますので、企業法務の実務経験の短い方は早めから対策を練った方がよいと思います。他方、私のように企業法務の経験は長くても内部統制や内部監査実務の経験がそれほど長くない方はPart2「コーポレート・ガバナンスと内部統制」の勉強時間をしっかり取って、あまり馴染みのないリスクマネージメントや内部監査に関する知識を早めからつけておく必要であると思います。

 

・ 業務での活用
 現在、主に担当している契約審査・交渉業務では、反社会的勢力排除覚書、個人情報保護覚書等の検討が求められることが多いため、こうした背景に何があるのか、契約リスク以外に確認しておくべきリスクは何かということについて、試験勉強を通じて理解することができました。その結果、これまでにあまり例のないタイプの契約を目にしても審査のポイントが明確になり、お客様への説明なども自信を持って対応できるようになったと思います。
 また、ビジネスの現場では残念ながら事故が起こってしまったり、危機管理対応が必要となる場面もあり、その場合のリスクコミュニケーションやリスクマネージメントに関するフレームワークを習得することができたことは学習の大きな成果の一つです。さらに社内コンプライアンス教育の手法についても、学習で得た知識やフレームワークを活用することでPDCAを具体的にどのように回していくのか、具体的にイメージすることができるようになりました。
2011年3月の東日本大震災を契機に事業継続計画(いわゆる「BCP」)の整備・改訂に関するタスクフォースメンバーの一人として携わりましたが、リスクマネージメントの一環としてどのような要素が組織にとって論点になり得るのか、あらかじめ知識や視点を整理しておいたことが現場で力となり、短期間で一定の方向性を見いだすことができたと思います。

 

・今後
 数年前、米国SOX法が日本のコンプライアンス実務や法制度にも影響しましたが、昨今も米国でのドッド・フランク金融制度改革・消費者保護法や連邦海外腐敗行為防止法(FCPA)、英国における贈賄防止法の制定等の国際的な動きがあり、日本企業や日本で事業展開をしている外資系企業のコンプライアンス実務にも影響を及ぼしている事情があります。
今後もこうした世界や社会の変化によってコンプライアンスそのものの定義も変化していくと思いますので、知識や情報をアップデートし、自社の実務に反映していくことが欠かせません。しかし、現場では日常業務に忙殺されることもあり、肝心なアップデートが十分にできなかったりするジレンマもあります。そうした際に、コンプライアンスニュースレター、イベント、異業種交流等を通じて、新たな知見やアイディアを得、日常実務への落とし込みや反映につなげていければと考えています。
 そして、たゆまぬ改善に向けてPDCAサイクルを回し続けていくということが私たち個人にとっても、組織にとっても重要になってくるものと思います。そうした知識やフレームワークを得られたことが学習の最大のメリットであり、今後もそうした知見を実務で活かしていきたいと考えています。

 

 

羽鳥 孝志様
株式会社マイプリント
内部統制室  部長

 

・資格取得を目指したきっかけ
 二年程前の内部統制室への異動により社内におけるコンプライアンス意識の向上を推進しており、社内セミナーや意識調査アンケートの企画・実施を行っていますが、その延長の施策として社内における部門責任者を対象にした資格制度構築の検討と自分自身の知識全般の整理をするためにチャレンジしました。結果として、知識の整理に留まらずコンプライアンスを考える上での応用力がつきました。また、本認定制度は、社内のコンプライアンス意識向上を実現する資格制度として実務的にもマインド醸成の観点でも相応しいと実感しております。

 

・学習した内容が業務にどのように役立っているか
 企業経営から始まり内部統制やコンプライアンス、リスクマネジメントまでの知識全般が整理できたので、今まで以上に業務上の課題を多面的に判断できるようになりました。また、学習により社内のコンプライアンス体制や自分自身の位置付けの重要性も明確に再認識でき、それが今後の活動のヒントとなり業務意欲が活性化されました。今後も、この認定資格に恥じないように業務に邁進したいと気持ちを新たにしております。

 

・学習の進め方
 この認定制度を知ってから試験までの期間は、2ヶ月弱で割ける時間が限られていたので認定機構推薦のテキスト3冊と問題集3冊に絞り一通りやりました。これにより業務での断片的な知識が整理され、単なる「知識」が考え出すことの出来る「知恵(応用力)」に変わりました。本番の試験問題は、良く練られており知識だけでは正確に解答できない問題が多くあるので「知識」を「知恵」に昇華させて考えられる力をつけておくと良いと思います。具体的な学習としては、認定機構推薦のテキストと問題集の通読は必須であり、問題集で判明した自己の弱点とその関連分野をテキストとネット情報で補強すると効率的だと思います。択一選択の問題は、内容も然ることながら出題形式も良く工夫されており、うろ覚えや部分的な知識では解答できない問題が予想以上に多いので、全体像からある程度の深さ(詳細までは不要)までを体系的に押さえクリアにしておく必要があります。また、正直なところ記述式問題が合否を大きく左右すると思っており、私も最後まで不安がありましたが、問題集にある設問を基本にして関連トピックを押さえておくようにしました。
 今回、私は幸運にも3科目を一括合格しましたが、PartV「企業法務・コンプライアンスの基礎」は、内容としてカバーしている範囲が思った以上に広いので、分割受験をされる方はPartVを単独にするのが良いと感じました。

 

 最後に、本認定制度を通じて多くの企業の方々のコンプライアンス意識とレベルが向上し、質の高い経営のもと、これからも日本が発展することを心より祈念しております。

 

高橋 俊光様  三井住友海上火災保険株式会社 徳山保険金お支払センター 課長  

1.資格取得をめざしたきっかけ
 私が、認定コンプライアンス・オフィサー試験の資格取得をめざしたきっかけは、会社の人事異動により2010年4月よりコンプライアンス部に配属になり、配属時の導入研修で受験を勧められたことである。
40才半ばの年齢になり、今更勉強しなくてもよいだろうという思いや、試験に落ちると恥ずかしいというネガティブな思いもあったが、同僚で、資格取得者と未取得者では格が少し異なって見えたので、素直な気持ちになってチャレンジすることにした。

 

2.学習した内容が業務にどのように役立っているか
 コンプライアンス部に配属になる前は、社内の業務指導・教育研修に携わっていたため、事務リスクやコンプライアンスに関する知識も多少はあり、理解していたつもりであったが、実際に勉強してみると、自分の知識はいかに表面的であったか改めて認識した。
 学習した内容は、コンプライアンス部在勤中は、不祥事件調査の統括業務において、判断が必要となったときに学習した内容がそのまま役立ち、現在の保険金支払業務、すなわちフロント業務においては、「誰も不祥事件をおこしたくて不祥事を発生させているのではない」ため、いかに内部統制活動が重要であるか、さらに社員間のコミュニケーションと防止活動のしくみづくりが大事であるか業務を通して理解することも出来た。
 今回の合格は、コンプライアンス・マインド醸成のための入口であり、コンプライアンスの取り組みに終わりはないため、引き続き関連のニュース記事や、課題図書の読み込みをして、そのマインドを社員に広げていきたい。

 

3.学習の進め方
 私は、勉強時間を確保することができないため究極の方法を行ったので参考にはならないかもしれない。
まず何のために勉強をするのか自分なりに考えた。
自分自信の良い教養のためだけではなく、試験に合格することを目先の目標にしたので、2010年の夏の試験から受験を開始。
 まず、テキストをざっと読むのだが、仕事を終えたあとの勉強、特にテキストを読んでいると、1分もしないうちに心地よい睡魔が襲うので、お風呂で湯船につかりながら、眠らないようにしてテキストをざっと通読した。
通読したあと、問題集を通勤電車のなかで最初から最後まで解いた。選択式ではなく筆記式の試験については、頭で理解してもなかなか文章表現できないこともあり、単語帳に書いて記憶するまで繰り返し読み返した。
そうすると、年に2回もある試験なので、毎回1科目ずつ合格し、今年の夏3回目で3科目を無事合格することができた。
テキストを通読する、問題集を解く、テキストで確認するという一連の行為は、知識定着させる意味において、有効だったと思う。